「本18 (時計68)」の投稿で私が所有するハードカバーの一冊、故「ジョージ・ダニエルズ」氏が記した「THE ART OF BREGUET」について述べた。
今回は、私が所有するダニエルズ氏著のもう一冊、「WATCHMAKING」について述べようと思う。WATCHMAKINGは時計職人を志すなら所有していて当然と言われる位メジャー且つ必須の専門書である。
私は別に時計師を目指している訳では無いが、時計好きとして、そして「Bregeut」とダニエルズ氏を畏敬する者としてTHE ART OF BREGUETと並んで所有しておく価値の有る一冊だった。
内容は相変わらず英語で記載されており、私には理解出来る範疇を超えているが、WATCHMAKINGを理解すれば機械式時計を自分で作れる様になる。その仕組みや理論、製作に至る技術的な手技等のノウハウが記されているのだ。
表紙はダニエルズ氏が設計した脱進機だろうか、「CO-AXIAL脱進機」搭載のトゥールビヨンだと思われる。格好良い!(画像1~2.画像1は表紙、画像2は見返し。)
中のイラストを見ると時計のパーツ等についてだけでなくペルラージュやギョシェ、ブルースチール(青焼き)、使用する工具の作成等にも言及されている。私はてっきり「ムーブメント」の製作についての本だと思っていたのだが、実際にはムーブメントや外装も含め、「機械式時計」の製作の著書である。(画像3、4。画像3は冒頭のカラーページ、画像4はブルースチールについて。)殆ど白黒なのが前年だが‥
「ダニエルズ氏は時計師の技を後継する事を成功させた」。‥古いBregeutの時計を研究し、過去のアイデアを現代に蘇らせ(THE ART OF BREGUET)、それを今後誕生するであろう新しい時計師に受け継げる様にした(WATCHMAKING)。
時代の架橋となったダニエルズ氏の偉業と言えるだろう。だからこそ私も現代の時計師で最も尊敬しているのだ。
因みにダニエルズ氏3部作の残り一冊はエスケープメント、即ち脱進機について述べた「The Practical Watch Escapement」。流石に専門的過ぎて所有していないが、脱進機は機械式時計の要なので、本当ならしっかり把握しておきたい内容である。
尚、私が愛読している雑誌「Chronos」で掲載されていた「マキヒロチ」女史に依る漫画「ムリやり時計ゼミ」で時計に関する書物について取材した話がが有ったが、その中で「広田雅将」氏のオススメにもTHE ART OF BREGUETとWATCHMAKINGは挙がっていた。(この漫画は単行本ではタイトルが「100万円超えの高級時計を買う男ってバカなの?」となった様だ。まあ私も含めて馬鹿だろう。)
この本は古典的時計製作の価値を再認識させてくれる、私にとっても重要な一冊と言えるだろう。
実はダニエルズ氏関連の本はもう一冊所有しているので、次回はその本についても述べようと思う。