先日、新たに時計専門の新店舗をオープンした某宝飾時計店。
しかし、最大の売りであった「ROLEX」の取扱いが残念ながら終了したとの事。
何でもROLEXは今後(他のブランド同様)ブティック化を進めていく様で、通常の正規代理店での取り扱いは少しずつ減少していくらしい。百貨店や時計店で扱う場合も売場面積や展示本数等にかなり条件が課せられる為、残念ながら田舎ではその条件を飲むメリットが見出せなかったとの事である。
私としては今の所ROLEXの購入を考えていないので特に問題は無いが、富山の時計好きとしては少し寂しいと思ってしまう。やはりスイス時計でも最も有名なブランドがROLEXなのだ。時計に興味が無い方でも名前は知っているのだ。即ち、機械式時計に興味を持つ切っ掛けと為り易いブランドと言える。
某宝飾時計店では「Breguet」や「AUDEMARS PIGUET」等の取扱いも終了し少しずつ見るモノが無くなっていっている。
「GALANTE」や「CAMPANOLA」の様に面白い国産時計の取扱いが増えている事は喜ばしいが、出来れば老舗の複雑機構の搭載が多いスイスやドイツのブランド等は店の顔になると思うので是非何か替わりとなるブランドを扱って欲しいと願う。
さて、新店舗がオープンする少し前、いつもの総本店では前回の投稿で述べた「SEIKO PREMIUM FAIR」に引き続き、先に述べた「CITIZEN」のCAMPANOLAの15周年記念フェアを実施していたので足を運んだ。
SEIKO PREMIUM FAIRと同様こちらもCITIZENの優秀な職人が組み立て実演を行った。
現代の名工とて活躍している「橋場悦子」女史に由るCAMPANOLAの「Grand Complication」(今回は深緋:こきあけ)の針付作業(画像1、2。画像1は深緋、画像2は橋場女史の作業。)と時計技能競技全国大会で上位入賞を果たしている「湯澤大」氏に由る「The CITIZEN Automatic」に搭載されているムーブメント「CAL.0910」の組み立て作業(画像3~5。画像3はCAL.0910、画像4は展示されていた分解されたCAL.0910、画像5は湯澤氏の作業。)を見る事が出来た。(The CITIZEN Automaticについては「時計41 その3」の投稿で僅かにだが述べているので参照頂きたい。)
買収しCAMPANOLAに搭載している「LA JOUX-PERRET」のムーブメント「CAL.Y513」(画像6)では無く自社のムーブメントを使用して実演した点はやはりプライドだろうか。
どちらも繊細且つ手際の良い作業を見る事が出来、非常に満足であった。何となくだが「SEIKO」に負けないと言う信念が感じられた。
CAMPANOLAは漆や螺鈿等の伝統工芸の業を用いた日本らしくそれでいて高級時計らしい佇まいが好感を持てるブランドである。
LA JOUX-PERRETは兎も角として、クォーツで特別な一本を探しておられる方にとってCAMPANOLAは最も相応しいのではないかと思う。
また15周年の記念モデルとして発表された会津漆の伝統工芸士「儀同哲夫」氏がダイヤルを手掛けたLA JOUX-PERRETの機械式時計「琉雅:りゅうが」(画像7)と「紅明:べにあけ」(画像8)も展示されておりその美しさは素晴らしいモノであった。(尚、15周年モデルには「聚楽:じゅらく」と言う時計も有るのだが、展示されていなかった。)
現状、LA JOUX-PERRET搭載はこのCAL.Y513のみだが、今後は複雑機構等も搭載されていくかもしれない。(一応CAL.Y513もビッグデイトにパワーリザーブインジケーターと通常の自動巻きより多機能である。)これからが愉しみなブランドである。
某宝飾時計店はこれらの国産ブランドを上手に育てつつ、更に素晴らしい輸入時計を増やしていって貰いたいものだ。頑張って欲しい。