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Channel: 心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく・・
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温泉旅行22

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「百楽荘」の温泉旅行の続きである。

「貸切露天風呂」の「漁火」で火照った身体をクールダウンした後、嫁は読書タイムに入ったので私は周辺を散策してみる事にした。遊歩道が設けてあり、九十九湾の沿岸を散歩出来る様になっているのだ。
それまで降っていた雨の影響からかかなり山道の方は泥濘んでおり歩き難かった。しかし、その雨の御陰か蟹の活動が活発になっており、目の前を何匹も横切って行った。蟹にとっては良かったのかもしれない。
因みにこの遊歩道は調度、私が宿泊している客室「月舟」のデッキバルコニーの眼前である。

軽く散策を終え、客室内の半露天風呂で汗を流し、いよいよ夕食の時間である。
「温泉旅行20」の投稿で述べた「Heart & Beer 日本海倶楽部」での昼食がまだ腹に残っている感じだ。実は散策は腹熟しも兼ねていたのだが‥どれだけ食べれるか不安だ。

チェックインの手続きをした「百楽茶屋」に向かう。こちらが食事処の様だ。
食前酒が出たので、一気に流し込む。手造り紅南高梅酒の海洋深層水割りとの事。私でも飲み易かった。

ドリンクのオーダーだが、今回は嫁の希望で「MOËT&CHANDON」のシャンパーニュとした。(画像1)

先附は、九十九湾産「たかも酢」(画像2)。「たかも」とは海藻のひとつらしい。枸杞の実と梅酢のジュレを添えてある。さっぱりとしており食感も良い。

前菜が、能登の里山里海の幸(画像3)。能登鯖寿司、帆立紐山葵漬け、手長海老唐揚、加賀蓮根煎餅、小豆貝田舎煮、紅南高梅、穴子八幡御倉松葉串、夏野菜ゼリー寄せ。
山葵が苦手な私は、まず帆立紐山葵漬けが食べれない。また海老は好きなのだが、殻まで食べるのは余り好きでは無い‥申し訳無いが無理せず食べれるモノだけを味わった。何しろ本日の御品書を見る限り、食べ切れない位だと予想出来る。ここで無理すると後々大変そうなのだ。

造り(画像4。)間八、平目、小木烏賊、梶木鮪、本カマス、甘海老を能登醤油で頂く。富山と新鮮さが違う訳は無いが、少し甘めの能登醤油で食べるとまた違った風味に感じる。能登醤油は「いしり」言う烏賊の内蔵や「いしる」と言う「魚」を原料に、それを発酵させて作る魚醤らしい。

預け鉢が、一本釣り活烏賊(画像5)。名物の小木烏賊を捌いた活造りで、ゲソ等はまだ動いており、口の中に吸盤が吸い付いたりする。私は烏賊の刺身は皮が有る方が好きで、鰭(通称えんぺら)等は皮を剥いておらず、好みの食感を楽しめた。それにしても1杯全部を造りにするとかなりの大きさである。もう腹八分目を突破。

煮物が、鰻旨煮(画像6)。アヤメ南瓜、茄子麩、五三竹等が美味しく煮付けられている。五三竹は初めて聞いたのだが、実際は富山の篠竹(すすたけ)と同じモノであった。地方によって篠竹は様々な呼び名が有る様だ。(まるでイラガの様だ。イラガについては「刺蛾」の投稿参照。)

炭火焼が、珠洲産「きり出し珪藻土七輪」での備長炭炭火焼き(画像7)。名物である烏賊とんびいしる風味、さざえ、特選和牛。烏賊のとんびとは烏賊の口の事である。烏賊を捌いた事が有るなら常識だが、烏賊の口は鳶口になっている。この口(周辺)が珍味なのだ。いしるは先に述べた魚醤の事だろう。癖になりそうな食感だ。

更に、A5クラスの和牛(但馬牛?)と鮑を事前にオーダーしていたのでそちらも頂く。(画像8)和牛は刺しも見事で柔らかさも流石だったが、残念な事にこれらを食べる頃には腹が限界近い状態であった。(画像9、焼いている様子。)これらは残さず食べたが箸が進むと言う訳では無かった。(勿体無い‥)

腹は限界でもまだまだ料理が運ばれてくる。
台の物は、海鮮しゃぶしゃぶ(画像10)。小木烏賊、真蛸、能登鰆。他にたかもや野菜等をさっと御湯に潜らせて頂く。入らないので野菜は少しだけにした。

漸く出てきた御飯物は、能登豆御飯。しかし御飯はもう無理なので、御握りにして貰い、後程ゆっくり頂く事にした。香の物である赤ワインらっきょと片葉いしる漬けも添えて貰う。(画像11)

留椀が、金時草真丈清汁仕立て(画像12)。貝割れ、梅肉、順才等が入った御吸い物だ。出汁が効いていて美味しい。

そして最後の果物は、能登大地の恵(画像13)。金時草ジェラートにマンゴー、さくらんぼ、白桃。
先にも出てきたが金時草は「キンジソウ」と読み、加賀野菜のひとつとの事。葉の裏が「金時芋(キントキイモ)」の様に赤紫色なのが特徴でこの名になったとか。茹でると粘りが出る。金時草の汁もこの綺麗な赤紫色で、ジェラートもほんのりとその色になっており、中には刻まれた金時草が入っている。甘味は別腹か何とか全部平らげる事が出来た。

更に、御握りを食べた後のデザートと言う事で杏仁豆腐を持ち帰る。(画像14)百楽荘では初めから夜食用の料理も準備されており、自由に部屋に持ち帰って食べる事が出来るのだ。(しかし、そんなに食べられる方は少ないだろう‥)

遂に容量オーバーで動く気力が無くなった私は、早めに就寝。温泉は明日堪能する事にした。

次回、今回の旅行最終回。

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