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Channel: 心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく・・
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時計78

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「時計66」の投稿では遅れが生じてOHとなり、「時計70」の投稿ではクロコダイルレザーストラップが裂けた事を述べた「SEIKO」の「CREDOR」の機械式腕時計「SIGNO GCBW993」。

兄弟で両親に機械式時計をプレゼントしたのだが、母親は無駄に大切にしており、全く使用していない状態で、父親は気に入っている様子で頻繁に使用してくれている。二人の性格が出ている様だが、私もモノは使ってこそだと思っている。大切にして箱から出さないよりはラフにでも使う方が正しいと思う。

「時計70」の投稿では、傷んだクロコダイルレザーストラップの替わりに「BAMBI」のメッシュベルトを装着し、より普段使いに適したスタイルになった事も述べた。

そんなGCBW993は一層ラフに使われていたのだろうか、時計の竜頭が取れたと電話が有り実家に向かった。
見ると確かに竜頭が取れている。巻き真で折れている様だ。(画像1、2。画像1は表面から見た状態、画像2は側面から見た状態。)

早速購入した某宝飾時計店にGCBW993を持っていく。状態を確認して貰うと、竜頭が取れただけならスタッフの手で修理出来るが、巻き真が折れているとなるとやはりメーカー送りになるとの事であった。
尚、竜頭(等の外装)の故障は保証の対象外となるらしい。取り敢えず見積もりを依頼した。

竜頭は時計では(プッシャー等を除き)唯一外から内部に干渉する事が出来る部分である。それ故に故障の原因と為り易い。逆に嫁の「Breguet」の「CLASSIQUE 8067」の様に竜頭から内部の異常を発見出来る事も有る。(「時計71」及び「時計75」の投稿参照)‥と言う訳で今回は竜頭について。

某宝飾時計店のスタッフに依ると、竜頭の不具合は圧倒的に手巻きより自動巻きの方が多いらしい。尤も現在の機械式時計は自動巻きが主流なので当然と言えば当然だが。しかし、やはり常に手で巻く事を想定された手巻きの時計に較べると、自動巻きの副次的な扱いとなっている自動巻きの時計では巻き真の強度等が比較的劣る様だ。(特に日本の時計ブランドは「自動巻き(手巻き付き)」となっている。)

手巻きも同様だが、竜頭は衝撃に弱く、場合に因っては内部にもダメージを与えてしまう。それを防ぐのが捻じ込み式の竜頭(及び竜頭ガード)だ。但し手巻きの場合は毎回螺子を緩めなくてはならない為、捻じ込み式になっているのは殆ど見かけない。
これも一長一短で、捻じ込み式は螺子山が甞めると言う故障が起こり易い。また竜頭の大きさが大きくなるので強い力で巻けるが、機械に大きな負荷を与える事も有る。

自動巻き(若しくは「時計19」の投稿で述べたBregeutの「CLASSIQUE 5907」の様な自動巻きベースの手巻き)の場合は基本的に巻き止まりが無いが、手巻きは巻き止まりを無視して巻くとゼンマイが切れて時計が壊れる可能性が有る。因みに私も愛用している「PIERRE KUNZ」の「CUPIDON」は、手巻きだが巻き切り防止機構を設けて有り多少は安心だ。

要約すると、
手巻きは巻き切りと竜頭への衝撃に注意。
捻じ込み式の自動巻きは螺子山の磨耗と竜頭を巻く際の力の入れ過ぎに注意。
非捻じ込み式の自動巻きは竜頭への衝撃に注意。
と言った感じだろうか。取り敢えず自動巻きの場合は出来るだけ竜頭操作を行わない方が良いのだろう。
私の考えなので、他に意見が有れば是非御聞かせ願いたい。

父親のGCBW993の見積もりと修理の結果についてはまた投稿しようと思う。

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