行き着けの某宝飾時計店が50周年のアニバーサリー企画として「TAG HEUER 3DAYS -タグ・ホイヤーの世界展-」を開催していたので行ってきた。200本以上の「TAG Heuer」の時計が展示されると言うなかなか壮観なイベントだ。
基本的にはTAG Heuerの(手の届く価格帯の)腕時計に欲しいと思えるモノはそれ程多く無いのだが、高額なモノはかなり個性的で面白い時計を作っている。
そのTAG Heuerの技術とアイデアを形にした面白い時計が2種類展示されていた。今回の「目玉」と言える腕時計である。
一つが「Monaco V4」。(画像1、2。画像1はダイヤル面、画像2はシースルーバック側から見た状態。)コンセプトモデルとして登場し話題となった時計である。その画期的な取り組みはベルト駆動に有る。
通常の時計は歯車同士が連結している状態だが、その伝達にベルトを使用しているのだ。つまり歯車と歯車を離す事が出来る。レイアウトの自由度も上がるのだ。(画像3、ベルトの配置をHPより転用。尚URLはhttp://www.tagheuer.com/)
今年はトゥールビヨンを組み込んだモデルも登場する等、更なる進化を続けている。このベルト駆動方式は現在TAG Heuerでしか採用されていない非常に特殊な時計と言える。(尚、商品化当初は不具合が多々発生していた様だが、最近は完成度も高まり不具合も減ったとの事。)
残念ながら私の腕には少々収まりが悪い。背面に配されたタングステンインゴットをスライドさせる方式の自動巻き機構が出っ張っている為、昔のバブルバックの様に中央のみ腕に接している状態になるのだ。ケース厚も有る為結構気になる。
尤も、このMonaco V4最大の利点は、個性的なメカニズムな上、迫力が有って格好良いと言う事に尽きる。正直誰が見ても「何か凄い」と感じさせる時計である。(動画のURLはhttp://www.youtube.com/watch?v=yS5KOVRORX0)
もう一つは「CARRERA MIKROGRAPH 1/100th of a second Chronograph」。(画像4~6。画像4はダイヤル面、画像5はシースルーバック側から見た状態、画像6はムーブメントを展開したモノ。)通常の時計用の輪列以外にクロノグラフ専用の香箱やテンプ等を組み込んだ時計である。これだけを聴くと、様は時計とクロノグラフの二つを一つにしただけの様な印象を受ける。しかしそのクロノグラフ(のテンプ)は360,000bphで1/100秒の計測が可能。それを一体構造として設計し直しているのだからTAG Heuerらしさの詰まった時計と言えるだろう。(動画のURLはhttp://www.youtube.com/watch?v=RoOCVl16I84)
個人的にはどちらも素晴らしいアイデアを形にした時計だと思うが、如何せん価格が高過ぎる。通常の価格帯のモデルにフィードバック出来なければ意味が無いのだ。
特にベルト駆動については、例えば輪列の部分だけでも良いのでもっと廉価なモデルにも採用しても良いと思う。(私はベルト駆動を複雑機構の様なジャンルでは無く、量産可能な実用的機構と解釈している。)
また、もしベルトがチェーンの替わりを果たせるのならば、チェーンフュジーと同様の定出力機構を再現しても面白いと思う。自由に曲がると言うメリットを活かせばもっと面白いモノが作れる筈だ。
なかなかに見応えが有った今回のフェア。次回は恒例の食事について。