某宝飾時計店にて「BVLGARI & CHAUMET FAIR」が開催されていたので見に行った。「某宝飾時計店37及び38」の投稿で述べたイベントが今年も催された。
1階の時計フロアは「BVLGARI」、2階の宝飾フロアは「CHAUMET」の商品が並べられており、直営店並の品揃えとなっていた。
BVLGARIのサロンでは嘗てこのブログで紹介した「OCTO finissimo PETITE SECONDE」(同名の投稿参照、 以降finissimo。)に始めて触る事が出来た。
今年もミニッツリピーター等の超複雑機構を搭載した時計はひとつも展示されていなかった為、私にとっての一番の時計はfinissimoであった。
唯、通常の「OCTO」の方が、110もの面から為る八角形と円を融合した複雑な形状から生み出されるケースの立体感を存分に味わえる様に思う。finissimoはOCTOらしからぬ薄さとドレッシーさが魅力だが、ケースの造型や仕上げの美しさとなると通常のモノの方が分厚い分より際立っているのかもしれない。尤も、finissimoの薄さでこれ程までの立体感を感じさせているケースなのだから十分に素晴らしいのだが。
実際にfinissimoを手に取ってみる。ムーブメント「Cal.finissimo」(画像1)は非常に良く出来ていると思ったが、少々違和感を感じた。竜頭を巻かせて貰ってその違和感の理由が判った。このCal.finissimo、薄型の手巻きムーブメントとして開発されたのでは無くどうやら設計は自動巻きムーブメントの様だ。(画像2、ムーブメントを展開したモノ。)
Cal.finissimoは、私の弟が愛用している「Breguet」の「CLASSIQUE 5907」のムーブメント「Cal.511DR11」に近しい印象を受けたのだ。もともとセンターに自動巻き機構のローターが取り付けられていた様なプレートとクリック感が無く、更に巻き止まりの無い竜頭の感触がCal.511DR11と似ている。(更に面白い事に背面パワーリザーブインジケーターも偶然なのか同じである。)
今後はCal.finissimoベースの自動巻き(本来なら自動巻きがベースなのか?)が発表される可能性も有るのではないだろうか。
一旦休憩。スタッフにコーヒーと共にまた「IL CIOCCOLATO」の「Chocolate Gems」を頂く。高価で普段はなかなか購入出来ないチョコレートなのでよく味わって食べる。(画像3)
休憩後、上階のCHAUMETのサロンを覗く。時計は前回同様ムーブメント等のメカニカル面は兎も角、ダイヤル等の装飾は流石老舗ジュエラー、流石Grand Cinq(グラン・サンク=世界五大宝飾店)と言える素晴らしい完成度だった。(画像4)
その中でも特に目を惹いた時計が2点。
ひとつは、ハニカムモチーフシェイプのオレンジサファイアを隙間無く埋め込んだダイヤルが非常に印象的な「Attrape-moi」で蜂の巣から滴る蜂蜜の様にも見える。(画像5)
もうひとつは時針の替り蜘蛛と分針の替りの蜂がスリット上を回って時間を示す時計。(画像6)比較的簡単な仕組みながら、蜘蛛と蜂が面白い動きを見せるまさにCHAUMETらしい逸品と言えるだろう。
どちらも時計として複雑にするより装飾と表現で独自の世界を体現している。
今回も十分に目の保養が出来た一日であった。