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Channel: 心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく・・
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本17 (時計67)

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「時計31 (本11)」の投稿で、「PATEK PHILIPPE」より毎年2回送付される「パテック フィリップ インターナショナルマガジン」について、そして「本16 (時計61)」の投稿では、同じくPATEK PHILIPPEから贈られてきた「Minute Repeater ミニット・リピーター」と言う本について述べた。

PATEK PHILIPPEを所有するひとつの楽しみがこのパテック フィリップ インターナショナルマガジンであろう。
内容も勿論興味深いが、この小冊子が送付される事もPATEK PHILIPPEのユーザーで有ると言う優越感と言うか誇りと言うか、兎に角特別感を感じさせてくれるモノだと思う。

この様なアフターサービスを含めたモノがブランドの価値で有り、商品の価格なのだと私は認識している。多少高価で在っても、商品以外の特典を含めた総合的な価値で判断する必要が有ると思っている。

「Breguet」にも正規代理店購入には(私にとっては)大きなメリットが有った。それが、本店の顧客台帳登録である。
曾てのBreguetのユーザーであった、ナポレオン・ボナパルトやマリー・アントワネット、ロシア皇帝アレクサンドル1世等の歴史に名を遺す人物の名前が連なる顧客台帳の末席に自分の名前が加わると言うのは、何だか大変に名誉な事と感じられる。そして時代は違えど同じ起源の時計を所有する喜びを味わえるのだ。
唯、台帳に名前が記載されるだけの事だが、Breguetに憧れを持ち、Breguetの伝統に尊敬の念を抱く私には、非常に特別な事だった。

そんなBreguetだが、昨年よりPATEK PHILIPPEと同様に、ユーザーのみが手にする事の出来るブランドマガジンを発行した事は御存知だろうか?
「LE QUAI DE L'HORLOGE」と言う、Breguetの創業の地をタイトルとしたマガジンである。パテック フィリップ インターナショナルマガジンと違い、ユーザーなら誰でも送られてくる様なモノでは無い様で、購入した正規代理店を通して「SWATCH GROUP」に申請したりとかなり面倒な手続きが必要になる。

そうして漸く1冊目のLE QUAI DE L'HORLOGEが手元に届いた。(画像1、2。画像1は添書、画像2は表紙。写真では良く解らないがギョシェが刻まれた表紙となっている。)

LE QUAI DE L'HORLOGEは歴史的、文化的遺産の紹介及び、Breguetの技術的革新を掘り下げる内容となっており、なかなか読み応えが有る。

画像3は、先代のCEOである故ニコラス・G・ハイエック氏の記事。敢えて腕に沢山の時計を付けて登場する事が多く、今回の写真では私の持つ「TRADITION 7027」を装着しているのが確認出来る。TRADITIONはニコラス・G・ハイエック氏自らが陣頭指揮を取って誕生した本人も御気に入りの時計であり、彼の遺産とも言える時計のひとつである。
画像4は、「Breguet Alarm」及び「時計42」の投稿で登場した「CLASSIQUE 5707」のダイヤル。アラーム機構は関係無く、ギョシェについての記事である。画像5の様に昔のアンティークウォッチ等も比較対象として登場している。
画像6は、Breguetが修復の支援を行っていた「Le petit Trianon」の記事。私も「時計15」の投稿で少しばかり取り上げている。
画像7は、新作の「CLASSIQUE7800 Réveil Musical」のメカニズムについて。「某宝飾時計店23」の投稿でも述べたオルゴールアラームウォッチである。

一通りさっと読んでみたが、CLASSIQUE7800 Réveil Musical等の技術的な内容は既に私が愛読している時計雑誌「Chronos」で取り上げられていた事で、Breguetの歴史等についても「本15」の投稿で取り上げた「HORLOGER DEPUIS 1775(日本語訳版「ブレゲ 天才時計師の生涯と遺産」)」に準ずる様な内容であった。(尤も、LE QUAI DE L'HORLOGE創刊は昨年なので、創刊直後にこの内容を読めたならば、Chronosより早く技術的な情報を入手出来たと思う。それにまず、大抵のBreguetユーザーはHORLOGER DEPUIS 1775なぞ所有していないだろう。)
その点は残念だったが、記事のボリュームは十分である。ページもパテック フィリップ インターナショナルマガジンが70数ページ程度に対してLE QUAI DE L'HORLOGEは116ページとかなり厚い冊子となっている。まあパテック フィリップ インターナショナルマガジンが年間2冊でLE QUAI DE L'HORLOGEが年間1冊の差かもしれない。

本当に2冊目以降が発行されるのか疑問だが、内容については満足なので是非とも続けて欲しいサービスである。そうなればBreguetもPATEK PHILIPPEの様に購入後もずっと特別感を味わえる。

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