「料理9」の投稿で、嫁が「ぐりとぐら」に登場するカステラを作ってみた事を述べた。
その際に、嘗て国語の教科書に教材として載っており、私の記憶に残った作品を何点か挙げた。
巨大な魚に擬態する事で挑む「スイミー」、馬頭琴伝承の「スーホの白い馬」、クリスマスツリーを連想する「モチモチの木」、クジャクヤママユが気になった「少年の日の思い出」、良い話には裏が有った「繁栄の花」、臆病な自尊心と尊大な羞恥心が心に刻まれた「山月記」、実際に試してみた「ちいちゃんの影送り」、えんびフライを食べたくなった「盆土産」等である。
他に「ごん狐」と「手袋を買いに」も挙げたのだが、この2作はどちらも児童文学作家である故「新美南吉」氏の作品である。
ごん狐は子狐のごんと兵十の擦違いを描いた切ない物語、手袋を買いには逆に互いに偏見の有る狐と人間が少し理解を深める仄々とした物語である。
テーマ等は私の足りない脳味噌では計り知れないが、物語としては十分に面白かったのだろう。それ故今尚、心を捉えて離さないのだ。
そんな手袋を買いにが今回貨幣セットとして世に出る事になったので紹介しようと思う。
「貯金3 その1及びその2」の投稿で述べた、「地方自治法施行60周年記念500円バイカラー・クラッド貨幣」及び「1000円銀貨幣」を作成している「独立法人 造幣局」が新たに日本の名作童話をテーマとして貨幣セットを販売する事となった。
その第一弾が「貨幣セット『手ぶくろを買いに』」である。(画像1)
新美氏が今年生誕100年を迎え、その記念として平成25年銘の未使用貨幣6種類と、手袋を買いにの物語に基づき表面に「狐の親子」、裏面に製造年「2013」と「手袋」が描かれた丹銅製メダルが収められたセットが作られた。(画像2)童話「手ぶくろを買いに」の物語を収めた小冊子も付属する。
勿論「お手々がちんちんする」と言った当時の文章もそのままに記載されている。
価格は\2,300で限定数は50,000。まだ申し込みは可能なので興味が在れば是非手に入れて頂きたい。
貴方も貨幣セット「手ぶくろを買いに」を眺めつつ、時代が流れても変わらず語り継がれる新美氏の作品に想いを馳せてみては如何だろう。きっと小学校の思い出と共に、当時作品を読んで学んだ事が蘇ってくる筈だ。そしてその作品は現在も変わらず世代を超え、国語の教材として小学生を成長させている。親子で夫婦で思い返して頂きたい。