久し振りに東京に行って来た。
このブログで振り返ってみると実に約4年振りであった。(しかもその旅行は日帰りである!)
改めて考えてみると、富山からでは東京より大阪の方がアクセスし易いのが理由だろう。北陸新幹線が完成すれば多少変わるのだろうか。
今回の旅行は明確な目的がひとつ有った。それが「PATEK PHILIPPE」の展示会である。
スイスと日本の国交が樹立して150周年となる2014年、スイスウォッチブランドを代表するPATEK PHILIPPEも創業175周年を迎え、明治神宮外苑「聖徳記念絵画館」にて「パテック・フィリップミュージアム」が所蔵するタイムピースの数々が展示される特別企画展が催されたのだ。
パテック・フィリップミュージアムと言えば「新婚旅行4」の投稿で述べたが、新婚旅行でスイスに行った際に鑑賞する予定だったが、正月休みで入れなかった所である。
そのミュージアム貯蔵の一部だけでも日本で見れると在らば見に行く他無い。と言う訳で、急遽予定を組んで東京に行く事になったのだ。
まずは東京ミッドタウンで軽めに昼食。「JEAN-PAUL HÉVIN」に立ち寄る。(画像1、多分バレンタイン使用となっている店舗。)
私は「Pâte Gratiné aux 4 fromages(パットゥ グラティネ オ キャトル フロマージュ)」と「Sur del Lago(スルデルラゴ)」、嫁は「Quiche ďhiver(キッシュ ディヴェール)」と「Brésil(ブレジル)」をオーダー。デザートには「Mont-blanc(モンブラン)」を頂いた。(画像1、先に運ばれてきたバゲット。)
パットゥ グラティネ オ キャトル フロマージュ(画像2)はモッツァレラ、リコッタ、パルミジャーノ、ロックフォールの4種類のチーズを使用したパスタグラタン。濃厚で美味しいが好き嫌いが結構有りそうだ。私は結構好みだった。
キッシュ ディヴェール(画像3)は鴨のコンフィ、マロン、シャンピニオン、ブロッコリーの入ったキッシュ。パリの店でも人気商品らしいが、嫁曰く、少々味が薄くて物足りないとの事だった。
スルデルラゴとブレジルは「Chocolat Chaud(ショコラ ショ)」と言うホットチョコレートドリンクである。名前はカカオの産地を表しており、スルデルラゴはベネズエラ産、ブレジルはブラジル産のカカオを使用している。
スルデルラゴは力強く余韻の長い濃厚な風味とアーモンドやコーヒーを思わせる奥深いアロマが特長で、
ブレジルはアプリコットやマンゴーなどの黄色いフルーツを思わせるフレーバーが特徴らしいが、飲み較べても無いので全然解らない。「バレンタイン3 その3」の投稿で述べた「NoKA CHOCOLATE」の「THE VINTAGE COLLECTION」の4種のチョコレートを思い出させられた。
デザートのモンブランはアーモンドメレンゲの上にシャンティとマロンクリーム。アーモンドメレンゲが土台として使われていたのは驚いた。(画像4、ショコラ ショとモンブラン。)
小腹を満たした後は、いよいよ聖徳記念絵画館に向かう。(画像5)勿論腕にはPATEK PHILIPPEの「Nautilus 5712/1A」を装着済みだ。
「PATEK PHILIPPE The 175th Anniversary Exhibition 創業175周年特別企画 パテック フィリップ展 ~歴史の中のタイムピース~」と題された今回の展示会だが、私は正直少々舐めていた。日本では高級時計=「ROLEX」である。「PATEK PHILIPPE」なぞ私の様な一部の好事家や金持ち以外には全く知られていないブランドだと思っていた。世界3大時計ブランドとさえ言われるPATEK PHILIPPEを始め「VACHERON CONSTANTIN」、「AUDEMARS PIGUET」も日本ではそれ程知られていない印象だ。
しかし、この会場は屋外まで凄い行列が出来ていた!
こんなに人が集まる展示会だとは全く予想していなかった。寧ろ結構閑散としているかもしれないと思った位である。PATEK PHILIPPE恐るべし。
チケットを購入し列に並ぶ。(画像6、チケットとパンフレット。)程無く会場内へ入る事が出来たが中は人で溢れていた。ゆっくり見る事は難しいだろう。少し勿体無いが、さっと見て回る事にする。
明治天皇の御事績と同時代の歴史的光景を描いた80枚の絵画と共に、パテック・フィリップミュージアム所蔵の19世紀~20世紀初頭に活躍した王侯貴族や偉人達が所有したとされる時計等が展示されていた。(画像7、8。展示されていたモノの一部。画像7はヴィクトリア女王のペンダントウォッチ、画像8はキュリー夫人のペンダントウォッチ。)
また、過去と現在のデザインの変遷を見る事が出来る。流石にNautilusはPATEK PHILIPPE史の中では新しい為展示されてはいなかった。
日本所縁の時計として「十六菊の御紋彫り懐中時計」や「岩倉具視」が率いた使節団が欧米12ヶ国を視察した際に様々な工場を見学したと記された、「久米邦武」編集「米欧回覧実記」の手稿と刊本も展示されていた。使節団が訪問した工場(工房)としてスイスのPATEK PHILIPPE、イギリスの「MINTON」、最近「雑貨11」の投稿でペーパーナイフを購入した事を述べたフランスの「Christofle」等の名が連ねられていた。
さて、PATEK PHILIPPEと言えば「ミニット・リピーター」だが(「本17 (時計67)」の投稿参照)、やはり今回の展示でもその美しい音色を聴く事は出来なかったのが残念である。せめて現行品でも良いので実物が奏でる音色を聞いてみたいのだが。
展示されていた時計自体は素晴らしいモノが多かったが内部の機能は説明文に書かれているのみで、ムーブメント等を拝めるモノは殆ど無かったのが残念だった。どちらかと言うと外装の美しさがメインの展示会と言えるだろう。クロワゾネや細密画、エングレービングから宝石を鏤めた美しい時計を見れたのは良かったが、どちらかと言えば複雑機構を搭載した時計の中身が気になる。
そのムーブメントの仕上げも芸術品レベルなのだから。
人が多かったからかもしれないが、展示品の見せ方も今一つだと思った。折角の懐中時計も片面しか見れない事が多い。もっとミラーやルーペ等を設置して裏側やより詳細な部分を見せる様にしてあれば良かったと思う。
それにしてもこれだけ盛況だったと言う事は、実はPATEK PHILIPPEの顧客(家族等を含めた)は思った以上に多いのかもしれない。
ともあれ、私にとっては久し振りに十分時計を堪能出来た時間を過ごせ、新婚旅行の些細なリベンジも出来た重要なイベントであった。
メインイベントはこれで終了したが、東京旅行はこれからである。次回へ続く。