今年も2月14日が過ぎていった。そう、バレンタインデーである。
今年はバレンタイン限定で目を惹くモノが殆ど無かった。
恒例の「BLANCPAIN」の「Women Saint-Valentin Series」(同名の投稿参照)は当然今年も発表されたのだが‥何と言うか地味である。(無難と言えば聞こえは良いかもしれない。)
一応今年も昨年(「バレンタイン7」の投稿参照)同様18KWGでは無く、従来通りのSS(ステンレス・スチール)製で限定数は99。(画像1、2。画像1は全体像、画像2左はダイヤル、画像2右はシースルーバック。)
勿論これまでの様にハートのモチーフが組み込まれ、ダイヤルはMOP(マザーオブパール)、ダイヤモンドがベゼルにセット、白地に赤の挿し色となっている。しかし、やはりバレンタインモデルと言う特別感を余り感じない‥
MOPはダイヤルにハートモチーフを彫刻し、そのひとつを赤く転写したりととても可憐な雰囲気にはなっているのだが、従来のWomen Saint-Valentin Seriesに較べると物足りなさが有る。
ムーブメントも昨年と変わらずCal.1150を用いているが、自動巻き3針デイトのスペックとしてはレディースとして考えると高性能と言える部類だ。
個人的には赤いハートの部分ももう少しメカニカルな面でも活用して欲しかったと思う。調度その位置にデイトを表示するとか、ハートの色の濃淡等でパワーリザーブインジケーター(ゼンマイの力の残量表示)や曜日を表示したり、ムーンフェイズ(月齢表示)等を仕込んでも面白いのではないだろうか?
ケースサイズ33mmは評価出来るが、価格¥1,700,000は個性に欠ける分少し割高に感じてしまう。尤も、トータルのデザインとして本当に無難で飽きないと思うので、バレンタインに拘らずひとつのドレスウォッチとして選ばれるなら良い候補になる筈だ。
さて、続いてはバレンタインモデルでは無いのだが、今年2月14日のバレンタインデーにデリバリーが開始された時計。
「SEIKO」の「GALANTE」より発表された「SBLA079 “BLUE ROSE”」である。(画像3。全然情報が出ていない様で画像も無く「BEST ISHIDA」様のHPより流用させて頂いた。)
通称プレミアムローズシリーズと呼ばれる薔薇モチーフのダイヤルに限定ならではの特徴を持たせた時計となっている。
私も嘗て「SBLA061 ”Beauty and the Beast”」(同名の投稿参照)をこのブログで取り上げたが、SBLA061はプレミアムローズの第2弾で「白薔薇」と称されている。
第1弾の「SBLA059」は「黒薔薇」、第3弾の「SBLA065 “Bloody Rose”」は「赤薔薇」となる。
第4弾である今作はBLUE ROSEの名の通り青薔薇。従来通り「SPRING DRIVE」を搭載した時計である。文字盤の薔薇のモチーフにはMOPを青く着色して使用しているらしい。
プレミアムローズシリーズの最大の特徴が回転ベゼルなのだが、今作は15分間を計測する部分にサファイアが埋め込まれ、他の部分には青い文字の様な模様が掘り込まれている。
この文字はラテン語で「ハンニバル・バルカ」の格言「Aut inveniam viam aut faciam(道は私が見つけるか、でなければ私が作るだろう)」と記されているとの事。
奇しくも、このブログでは「バレンタイン2」の投稿で世界で始めて遺伝子操作によって新種の「青い薔薇」が誕生した事を述べた。(尤も、私は「青」だはと認めていないが。)
それこそ「SUNTORY FLOWERS」がオーストラリアの企業と共同開発して生まれた「SUNTORY blue rose APPLAUSE」である。(画像4)
これまで実現不可能の代名詞だった青い薔薇はこのSUNTORY blue rose APPLAUSEの登場で意味を変え、今では「夢叶う」となったらしい。
SBLA079もSUNTORY blue rose APPLAUSEに因み、ハンニバル氏の言葉を刻んだ結果、「不可能な夢を実現する為、挑戦し続け己が道を切り開け。」と言う様な意味を含んでいるのだろう。
画像では少々青が強過ぎる印象なのだが、デザインは悪く無い。実物を見てみたい時計だ。限定数は50で価格は\892,500となる。
尚、私の行き付けの某宝飾時計店がGALANTEの取り扱いを開始したが、残念ながら取り扱い決定時にはSBLA079のオーダー期間が既に過ぎてしまっており、店頭で見る事は出来ない様だ。残念である。
バレンタインに因んだ投稿だったが、次回は今年のバレンタインチョコレートについて述べようと思う。