行き着けの某宝飾時計店にて「SEIKO プレミアムフェア」が開催されていたので足を運んだ。
「SEIKO」の3つの柱となっている「CREDOR」、「Grand Seiko」、「GALANTE」を中心にSPRING DRIVE(以降SD)や機械式時計を数多く取り揃えた今回のイベント。
嘗てはGrand Seikoのみの取り扱いであったこの店舗も「某宝飾時計店18」の投稿でCREDORを、「バレンタイン8 (時計74)」の投稿でGALANTEを取り扱う事となり、SEIKOの中核を担う3ブランド全てを網羅した多分北陸唯一の店となった。
スタッフと談笑しつつ、SEIKO関連の様々な話を聞かせて頂いた。「CREDOR SIGNO 叡智供廚砲弔い禿睫渭析辰鯤垢い拭(同名の投稿参照、尚CREDOR SIGNO 叡智兇砲弔い討郎2鵑魯妊皀皀妊襪眦玄┐気譴討い覆った。)
まずはGALANTE。
今回のイベントに展示されている商品では無く「SBLA061 ”Beauty and the Beast”」(同名の投稿参照)や「バレンタイン8 (時計74)」の投稿で述べた「SBLA079 “BLUE ROSE”」と同様限定のプレミアムローズシリーズの販売が決定したとの事である。
多少デザインが違うのだが「SBLA059」やSBLA061の様にベゼルに荊モチーフの模様が刻まれている。ダイヤルは白のMOP(マザーオブパール)で今回のデザインコンセプトは「Artemis」らしい。モデルナンバー(品番)は「SBLA085」になるとの事だ。結構気になっている。
残念ながら画像が見当たらなかったので、興味を持たれた方は取り扱い店に確認してみて頂きたい。
続いてGrand Seiko。こちらは、今回のイベントに展示されており実際に触らせて頂いた時計である。
「SBGA109」(画像参照)。現在のGrand SeikoのSDモデルに採用されている主力ムーブメントである「Cal.9R」系が誕生して今年は調度10周年でその記念モデルとなる。
ダイヤルが非常に特徴的で10周年との事で10分(2時)の位置にGrand Seikoのエンブレムとも言える獅子がこっそりと描かれていたり、ダイヤルの見返し部には「Caliber 9R 10th Anniversary Since 2004」と記念の文字が刻印されておりとなかなかに薀蓄のポイントが多い。
だが、このSBGA109には通常のSDモデルに搭載されている「Cal.9R65」では無く「Cal.9R15」を搭載している事こそが最大の特徴と言えるだろう。(Cal.9R15は過去にも限定モデル等に採用されている。)
通常のCal.9R65は平均月差±15秒(日差±1秒相当)の精度なのだが、Cal.9R15は選別した水晶振動子を使用して細かな調整を施しす事で平均月差±10秒(日差±0.5秒相当)まで高めているのだ。
正直、SDは性質上精度の違いは殆ど無いと思っていたのだが、より高精度になるとは驚いた。スーパークォーツで選別する水晶振動子は、通常より高性能なモノを使用しているのだが、SDも同様なのだろう。尤も、個人的にはそういう優れた(スーパークォーツ用の)水晶振動子をSDに使用していなかった事の方がショックである。仮にも(CREDOR及びGALANTEとは方向性の違いで)高精度を目指しているGrand Seikoならば水晶振動子は初めから妥協すべきでは無い。(まあ並のSDでも通常の機械式時計に比べれば圧倒的に高精度なのだが。)
また、GALANTEに搭載されているSDは「Cal.5R」系、CREDORは「Cal.5R」系及び「Cal.7R」系を主に搭載しているのだが、同じ3針デイト+パワーリザーブインジケーターのモノではCal.9R系とどの様に違うのだろうか?
これもCal.9R65とCal.9R15の様に精度や仕上げに差が有るのならば、3つの柱とは言えない様な気がするのだ。
確かにコンセプトはそれぞれ違うが精度や仕上げに関してはどれもが限界まで追求して貰いたいと思う。その結果で精度が悪くても私は文句は言わない。しかし、もっと良い精度が出ると判っているのにやらないのは怠慢ではなかろうか?
機械式時計の場合は特に調整がモノを言うのでGrand Seikoが別格になるのは仕方無いと思う。だがクォーツとSDはCREDORとGALANTEも同レベルまで引き上げて欲しい。(そうでないとCREDORは兎も角GALANTEはデザインだけで中身は完全に劣った時計となってしまう。)
SBGA109は素晴らしいがSEIKOの経営方針に少し疑問を感じた今回のイベントだった。