「流行語大賞は『弱い者いじめ』=鈴木修スズキ会長兼社長、軽自動車増税案を批判」
こんな見出しをYahoo!ニュースで発見。
「SUZUKI」の鈴木修会長兼社長は20日、総務省が検討している軽自動車税(市町村税)の増税案に触れ、「流行語大賞は『弱い者いじめ』にしよう」と皮肉を述べた。
同日報道公開が始まった東京モーターショーで記者団に語った。「DAIHATSU」と「HONDA」が出展したスポーツタイプの軽自動車については、「軽は貧乏人の車だ。スポーツカーは要らない」と消極的な姿勢を示した‥との事である。
「貧乏人」や「弱い者いじめ」等、品性を欠いた台詞に批判が集中していた様だが、正直私にはそちらの批判はどうでも良い内容である。
重要なのは軽自動車増税についてであろう。
抑々、軽自動車の扱いが特別なのは1949年に遡る。
1940年、自動車税が創設されるも当時は自動車が普及する前であり、自動車は高級品であった。軽自動車と言う規格も無かった。
1949年に軽自動車の規格が制定、通商産業省(現、経済産業省)は自動車を普及させ欧米の様な車社会を目指す為、1955年「国民車構想」を打ち出す。
1958年、自動車税から軽自動車税が分離される。自動車は贅沢品として課税対象だったが軽自動車は性能的にもかなり劣っており生活に必要な必需品と言う扱いとなり、税金等が優遇される。
これが軽自動車が鈴木氏が「貧乏人の車」と呼んだ理由であり、軽自動車(税)が安いとされる所以である。
だが、現在では1000cc等の小型の普通自動車と性能的にも迫ってきており、グレード等に依っては、普通自動車以上の価格のモノも多く存在する様になった。
最早「貧乏人の車」と言える様な存在ではなくなったのだ。
更に現状は中古車の流通も増え、それ程裕福で無くとも十分に普通自動車を維持出来る世の中である。軽自動車は必需品として優遇される意味が有るのだろうか?
私の個人的な意見を述べるなら、最早軽自動車の優遇は必要無いと思う。更に言えば現在の規格の軽自動車と言うジャンル自体が必要無いのではないかとも思う。
全長3,400mm以下、全幅1,480mm以下、全高2,000mm以下、排気量660cc以下、定員4名以下、貨物積載量350kg以下が軽自動車の規格である。
確かに、独自規格に依って進化を遂げた軽自動車は日本が世界に誇れるコンパクトカーであり、現状ではその制約の中で限界近くまで性能を引き上げる事に成功している傑作と言える。
唯、如何せんその制約が、限界近くまで進化した現状では足枷ではないだろうか‥
つまりこの軽自動車の規格を廃止する事でこの制約を超えた新しい自動車が生まれる可能性が有るのではないか?と言う事である。
私のアイデアとしては、排気量100cc刻みで税金や規格を決めればいいのではないかと思う。(素人の意見で申し訳無い。)
表題の通りこれで軽自動車のスペックの自動車の増税に繋がると反対が出るのは必至である。しかし、800cc、900ccと660cc~1,000ccの間を埋めるスペックの自動車が有り、調度660ccの税金\7,200と1000ccの税金\29,500の間の金額の税金を設定(例、800ccが\12,000、900ccが\20,000)すれば、名目上軽自動車規格を無くす事が出来る。あくまで700ccの自動車という扱いに出来るだろう。
この場合、軽自動車の増税が発生しないし、1,000ccの税金の引き下げも発生しない。軽自動車の増税は見送る事が出来、660cc以上1,000cc以下の車の出現により、軽自動車より高性能かつ税金が1,000ccより安い車が作成される。
更にもう一つの利点として、後々増税をし易いと思う。\7,200を\8,000に変更する等僅かな調整によっても大きな税収を見込めると予想する。基本的に税金は取り易い所から取るのが理想なので、100cc毎に税額を設ける事で金額を改定し易い筈だ。
勿論660cc以下も作れば良い。500ccや400cc等にもそれに準じた税金を設定すれば低所得者ももっと容易に車を維持出来るだろう。
また400cc以下はそれこそ本当に「低所得者用の減税車」として優遇すれば良い。(車両価格も抑え清貧な自動車とし、但し定員は2名以下で高速道路が走れない等、いくつかの規制を設ける必要は有るだろう。)
尤も、パーソナルモビリティ(「motor compo」及び「YikeBike」の投稿参照)やミニカー(画像は「光岡自動車」の「MC-1(K-1)」。光岡自動車のミニカーについては「TOYAMA DESIGN SELECT 2008」の投稿参照)等の本当に安価な4輪の移動手段も有るのだから、まずはこれらを優遇するべきだろう。低所得者や地方での移動手段として必要な方が入手が容易且つ使用し易い環境を整えると良い。
今回は環太平洋戦略的経済連携協定(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement:TPP)等の影響も有り、大きく取り上げられる事となったが、今後の日本政府の政策に期待するしかない。この様なブログの一案でも一人でも多くの方々の目に触れれば、何かしらアイデアが生まれるのではないかと思う。皆も日本の自動車産業をより良くする為にも御一考頂ければと思う。