行き着けの某宝飾時計店で「BVLGARI&CHAUMET 上質逸品展」が開催されていたので行ってきた。
店舗1Fに「BVLGARI」のサロン、2Fには「CHAUMET」のサロンを設けたとの事である。
BVLGARIは時計のコレクションが多数取り揃えてあり中々に見応えが有った。しかしグランドコンプリケーション(複雑時計)は1本も無く、その点は少し寂しいと思った。
確かにグランドコンプリケーションなんかは、価格も数千万円なので、富山ではまず売れないだろうが、客寄せの目玉としても1つ位は展示して欲しかった。
グランドコンプリケーションが無いのは残念だったが、希少モデル等も展示されているのは流石であった。
この日には既に売れてしまっていたが、ちょっと前に見せて頂いた「BVLGARI ROMA」(画像1,2。画像1は実際にこの店舗に展示されていたモノ、画像2は参考画像。)等は限定で余り見る事が出来ない時計らしいし、今回展示されていた「OCTO chrono quadri retro automatic」(画像3)の赤いインデックスのモデルも限定で珍しいとの事だ。(50本限定)
尤も、どちらも僅かに通常のモデルと違うだけなので、私にとってはそれ程特別感は無かった。
さて、BVLGARIの最近の時計を改めて見てみたが、「某宝飾時計店35」の投稿でも述べた通り、全体的に作りが良くなっている。
正直、昔のBVLGARIの時計は仕上げも甘くムーブメントにも魅力を感じない、デザインとブランド銘だけで売っていると言う印象の時計であった。デザインも個性は有ったが押し出し感が強く、悪目立ちする様なイメージを持っていた。個人的には、嫌いなデザインでは無いのだがもっと煮詰める事が出来るのではないかと感じていた。
しかし、「Gérald Genta」と「DANIEL ROTH」を買収し傘下に収めてからは少しずつクオリティが上昇しているのを実感した。そしてこれらを完全に統合してBVLGARIに取り込み、更に「LVMH」に加わった事が功を奏したのか、最早昔とは別物の完成度になった。
ケースの造型も見事で仕上げも段違いである。ムーブメントもGérald Genta、DANIEL ROTH、それに「ZENITH」等の御蔭で独自性だけでなく、磨きや装飾も時計ブランドに並ぶレベルに達したと言えるだろう。
昔、時計は完全に(私が個人的に考えている)ライバルの「Cartier」>BVLGARIであったが、今はBVLGARIの方が優位だと思う。(勿論Cartierも自社で優れたムーブメントを作っているのだが、何と言うかそのムーブメントが余り萌え無いのだ。)
私の感想では「OCTO automatic」はデザインも仕上げも合格点だ。レザーストラップ(画像4)も格好良いがブレスレット(画像5)も多少クドさは有るものの格好良く装着感も作り込みも満足出来る。針の作りは少し物足り無いがダイヤルは透明感が有って美しい。(欲を言えばデイトはバランスを崩すので要らないと思う。)
また微妙にカーブしている凝った造型の新しい「BVLGARI BVLGARI」も悪く無い。ベゼルが薄くなり「BVLGARIのロゴを強調している感も柔らいだ。今のバランスは良いと思う。ベゼルを薄く出来たのも全体的に完成度が上がったからだと思う。誤魔化しが必要無くなったと言う事ではないだろうか。
思った以上に好印象のBVLGARIであった。餅は餅屋、時計は時計ブランドだと思い込んでいると良いモノを見落とすかもしれない。
実際にムーブメントやケースを製作するメーカーを買収したり傘下の時計ブランドに技術提供を受けたりと、現在はそれ位時計ブランドとクチュリエやジュエラー等の垣根が無くなっていると言える。
寧ろ、視点が時計だけに偏っていない分広いアイデアで時計ブランドでは思い付かない様な面白い時計も生まれてくる事だろう。それも時計ブランドと互角のクオリティを以って。
そんな事を感じながら2Fに向かった。次回へ続く。